いやー、井上選手、圧倒的でしたね。
対戦相手のフルトンの試合映像は、僕はこれまで何度も見てきたので分かるのですが、決して実力のない選手じゃないんですよ。
ボクシングスキルも高く、状況判断にも優れ、気持ちも強くて良い選手です。
が、今回の試合に関しては、1Rの中頃には井上選手の勝ちをほぼ確信しました。
なぜなら、フルトンが最も得意とするロングレンジでのジャブの差し合いで、井上選手だけがパンチを当てることができていたからです。
本来は、ロングレンジでジャブを当ててポイントアウトしたかったであろうフルトンにとっては、その時点でもう計画倒れだったことでしょう。
そのままロングレンジで戦っていると、良くても判定負けです。
となると、フルトンが勝つためには、前に出るしかありません。
井上選手を相手にそれを行うのはリスキーですし、実行したところで勝算も薄いのですが、僅かでも勝利への望みを捨てないためには、それしかないのです。
そこで、3R目から前へ出ることを選択したフルトンは勇敢だったと思います。
結果は残念でしたが、大きなリスクを負ってでも勝つために前へ出たフルトンには、拍手を送りたいですね。
それはさておき、井上選手にリーチでも身長でも勝っているはずのフルトンが、なぜロングレンジで自分だけパンチを当てることができなかったのか？
その原因は、フルトンのステップワークに原因があったと思っています。
戦前、フルトンはステップワークが良いと方々で言われていましたが、個人的には足運びに難点があると思っていたんですよ。
長くなるので詳細は省きますが、どれだけ素晴らしい武器を持っていても、ひとつ大きな弱点があれば、それが原因でその武器が使えなくなることもあるということですね。
選手の方々はその点を肝に銘じて、自分の欠点を克服するためのトレーニングにも、しっかりと時間を割くようにしましょう。
人間、ネガティブなものからは目を背けたくなる傾向がありますが、それが原因でいつか致命的なことになるかもしれませんよ。
自分の弱点が分からない方には、僕がズバッと指摘して差し上げますので、遠慮なく仰って下さい（笑）
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